人気ブログランキング | 話題のタグを見る

scoreのオーディオ&音楽日誌

score1204.exblog.jp
ブログトップ

ブルックナー 交響曲第8番・他 マタチッチ/N響

ブルックナー 交響曲第8番・他 マタチッチ/N響_f0229581_127143.jpg

マタチッチ/N響の伝説的名演を収めたこのCD、かつては日本コロムビア(DENON)から出ておりましたが、今回JVCビクターの手により高音質XRCDとなって蘇りました。素晴らしい音質です!

ロブロ・フォン・マタチッチはユーゴスラビア(現・クロアチア)生まれ。スラブ歌劇団の指揮者として60年代中頃に初来日。爾来、N響に複数回客演し、両者の結びつきは強固なものとなって行きます。このCDに収められたブルックナーの8番、ベートーヴェンの2、7番が最後の客演となりました。ちなみにこの客演の際にマタチッチは自作交響曲「対決の交響曲」を指揮。自らが書いた交響曲の変拍子を上手く振れないマタチッチに・・・
「先生は腕を回していて下さい。自分たちで合わせますから」
とN響側が申し出たとか。この両者が如何に深く結びついていたかが判るエピソードですね。
このマタチッチ自作交響曲もDENONからCD化されております。

さて、XRCD化された稀代の名演ですが、これはもう以前DENONから出ていたものとは全くベツモノというぐらい音質が改善されております。深く刻まれるリズム。彫琢鮮やかな表現。全てが生々しくなっております。DENONのものも演奏内容を知る、と言う意味ではこれで充分だと言えるのですが、音の深み、と言う部分については隔靴掻痒の感があります。マタチッチの至芸を十全に理解し、楽しむためにもここはXRCDを選びたいですね。

どの演奏も素晴らしいです。比較的速いテンポでゴリゴリ押して行くブル8。たおやかな表現の中に時折デモーニッシュな表情を見せるベト2。第一楽章冒頭から信じられないぐらいのテンポで疾走し、狂乱の終楽章へ雪崩れ込むベト7。どれもこれも凄すぎます。特にベト7終楽章は大興奮! これは是非聴いて欲しいですね!(笑)

ちょっと高めのCDですが、それだけの価値はあると思います。ご興味のある方は是非!


<参考CD>
ブルックナー 交響曲第8番(ノヴァーク版)
ベートーヴェン 交響曲第2番
ベートーヴェン 交響曲第7番
ロブロ・フォン・マタチッチ指揮
NHK交響楽団

1984年3月7日(ブルックナー)
1984年3月14日(ベト2)
1984年3月23日(ベト7)
NHKホールにおけるライブ録音

JM-XR24700
by score1204 | 2011-08-16 01:58 | CD(クラシック)

音楽とオーディオ、その他の日々雑感を気ままに…


by score1204