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scoreのオーディオ&音楽日誌

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Audio Technica AT-OC9/III

今、常用しているカートリッジのひとつです。クラシック向きの繊細感のある音が特徴のカートリッジですが、チューニング次第では、意外と芯の太い音を聴かせてくれるパフォーマンスの高い逸品だと思います。
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これを使うようになるまで、私はTechnicaのカートリッジにある種の偏見を抱いておりました。確かにレンジが広く上も下も良く出るのですが、音楽がちっとも楽しくないのです。何と言うのでしょう、熱気、高揚感のようなものがちっとも感じられず、音域全体に渡って均質化され、薄く引き伸ばされた感じがしたのです。

良く雑誌などでオーディオ機器の「音楽性」という言葉が出て来ます。良く判るような判らん言葉ですが、ワタクシ的には「中域の熱気と躍動感」と解釈しています。音楽で一番大切なのが中域です。ここが薄いようでは音楽を再生する機械としては失格でしょう。極論となりますが、低域は中域を下から支えるために存在し、高域はあくまで雰囲気です。昔のSP盤が今でも充分に鑑賞に耐えるのは、この中域が充実しているからなんですね。まあ、中域しか存在しないと言っても過言ではないのですが・・・(笑) ですから、音域全体に渡って均質化されたオーディオ機器なんてのは「音を再生」するためには良いのかも知れませんが、「音楽を再生」するものでは無いと思っています。
Audio Technica AT-OC9/III_f0229581_2202053.jpg

このAT-OC9/IIIも先述した通り、クラシック向きの繊細感のある音です。音は全体的にやや高域寄りのように感じます。普通ならその分中域が少し薄くなるのですが、このカートリッジの秀逸なところは中域が充実しているところなのです。この中域をさらに充実させるためにはある程度質量の重いシェルを使うことによって行うことが出来ます。今は同じTechnicaのAT-LH15を組み合わせて使っています。本来の使い方から言うと、針圧2g程度のカートリッジに組み合わせるようなシェルではありません。また、SME-3012Rのサブウエイトも使用し、アームも重くしています。カートリッジからアームまで全体を重くすることで、高域をやや鈍らせ、全体の音調を下げることが出来ます。繊細感は僅かに後退しますが、中低域がさらに充実して来ます。漣のように揺れ動くヴァイオリン群のトレモロ、ゴリゴリ押して来る弦バス。私好みの音調です(笑)

カートリッジとシェルの組み合わせはまさに無限大。こうやって自分好みの音を探っていくことこそアナログの醍醐味ですね!
by score1204 | 2011-09-03 22:37 | オーディオ

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