ムラヴィンスキー&レニングラード・フィル モスクワ公演(1965&1972)
これらの演奏は全てレニングラードではなく、表記題名の通りレニングラード・フィルのモスクワ公演をライブ収録されたものです。原盤はメロディア。当時はレニングラードよりも首都モスクワの方に最新機材が揃っており、録音のクオリティもレニングラードでのライブ収録よりも数段優れたものとなっています。ムラヴィンスキーは終生、ソビエト共産党に入党することは無く、むしろ共産党とは敵対関係にありました。それが故にレニングラードには古ぼけた機材しか無く、録音のクオリティが悪かったとのこと。当局のツマラナイ嫌がらせのために偉大な芸が歴史の彼方に埋もれてしまったのですから、全く馬鹿なことをしたものです。
そんな話はさておき、モスクワで収録されたこの公演はどれも素晴らしいクオリティで収録されており、先述した素晴らしいリマスタリングのおかげでムラヴィンスキーの録音の中ではピカイチのものになっていると思います。切れ味鋭いシャープな響き、肺腑を抉る低弦楽器、ピッチのあった金管楽器。まるでオーケストラはかくあるべきとの見本とも云える演奏です。そしてその高みにはなかなか至ることは出来ない。そんな感想を持たざるを得ないような素晴らしい演奏のオンパレードです。
7枚組みのCD-BOXですが、どのCDを聴いても息が詰まるような緊張感と、聴き終わった後にはため息が漏れます。7枚組みで2900円というお買い得CD-BOXということもあり、ムラヴィンスキーを聴いたことがない、と言う人にこそ聞いて頂きたい演奏です。買って損はありません。是非どうぞ!
<参考CD>
ムラヴィンスキー&レニングラード・フィル モスクワ公演(1965&1972)
指揮:エフゲニー・ムラヴィンスキー
レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団
収録曲は下記URLをご参考になさって下さい。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/4167159