ブルックナー in カテドラル
さて、このアルバム、SACDハイブリッド盤、5.1chということで再生環境があれば臨場感溢れる音響絵巻が楽しめます。もちろん2ch再生もOK。当家も2chの再生環境しかありませんが、演奏の醍醐味、音楽の美しさは十全に伝わって来ます。教会の美しい残響も相まって、夢見心地にさせられる素晴らしい録音です。
演奏は絶品です。夢見るような幻想的な音色が随所に溢れています。ホルンという楽器がこれほどまでにファンタジックに聴こえてくる演奏ははじめて耳にするかも知れません。
ホルンという楽器はオーケストラで使用される金管楽器の中でも最も多彩な音色が出せるものだと思っています。軽やかに舞上がるかと思えば、地を這うような重厚な音も出せる。この全く正反対と思える音のキャラクターをバヴォラーク率いるチェコ・ホルン・コーラスの面々の卓越した技量を持ってブルックナーの音楽を彩り豊かに奏でてくれます。得てして編曲ものは、何か物足りなく感じるものですが、この演奏に限っては最初からホルン・アンサンブルのために書かれたのではないかと思えるほど充実した響きになっていると思います。特にアヴェ・マリアの美しさは絶品です。
とてもファンタジックな一枚です。原曲を知らない人でも充分に楽しめると思います。
是非どうぞ!
<参考CD>
ブルックナー
・『アヴェ・マリア』 WAB.7
・『ヴィントハークのミサ』ハ長調 WAB.25
・『アヴェ・マリア』 WAB.6
・オッフェルトリウム『乙女たちは王の前に招き入れられる』 WAB.1
・アンティフォン『マリアよ、あなたはことごとく美しく』 WAB.46
・グラドゥアーレ『正しい者の口は知恵を語り』 WAB.30
・グラドゥアーレ『キリストは従順であられた』 WAB.11
・アンティフォン『見よ、大いなる祭司たちを』 WAB.13
・交響曲第7番 WAB.107~第2楽章アダージョ [24:30]
ラデク・バボラーク(ホルン)
チェコ・ホルン・コーラス
アレシュ・バールタ(オルガン)
録音時期:2008年7月21-23日(DSDレコーディング)
録音場所:チェコ、モスト聖母被昇天教会(セッション)
Octavia Cryston OVCC00068
ちなみに同じメンバーでブルックナーの交響曲第8番第3楽章アダージョと交響曲第9番を録音しております。ブル8アダージョではヴァイオリンがオブリガード風の楽句を奏で彩り豊かな演奏です。またヴァイオリンの音色が非常に効果的感動的です。こちらも素晴らしい演奏と録音ですが、ブルオタ好み(笑)の内容となっており、万人にオススメ出来るものではありません。上記アルバムを聴いて興味を持った方は是非どうぞ。
<参考CD>
ブルックナー・シンフォニー・イン・カテドラル
ブルックナー/ボク編:
・交響曲第9番~第1楽章
・交響曲第8番~第3楽章
録音時期:2011年6月13-14日
録音場所:チェコ、モスト聖母被昇天教会(セッション録音)
Octavia Cryston OVCC00090