第9地区
南アフリカのヨハネスブルグ上空に突如出現したUFO。彼らは上空に浮かんだまま動こうともしない。そのUFOに乗り込んだ人類が見たものは弱り果て、難民と化した宇宙人たちだった。物語はそれから28年後、宇宙人たちの難民キャンプ(まるでゲットーのような)を強制移設させるところから始まります。
映画の冒頭「ニューヨークでもなく、ワシントンでもなく、シカゴでもなく、何故ヨハネスブルグなのか?」という語りが入ります。物語のテーマがこの一言に集約されます。
とは云え、抹香臭く、お説教じみた物語ではなく、サスペンスあり、アクションあり、で最後まで飽きることなく楽しめる映画です。テーマを深化させるようなくだりは一切ありません。まあ、テーマそのものは何を今更の感も無きにしもあらずですが、つい最近まで南アフリカのように国際的に非難されつつも人種隔離政策を堅持していた国もあるぐらいですから、人類が社会性を持つ生き物である限り永遠のテーマと云えるものかも知れません。
先述したように物語そのものはサスペンスあり、SFアクションあり、で今どきのハリウッド映画しています。
低予算で作られた映画のようですが、クオリティは充分に保たれており、陳腐なところやCGに手抜きがあるなどということは一切ありません。
良い映画でした。