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シューマン ヴァイオリン協奏曲他  スクリデ、ストゥルゴールズ/デンマーク国立放送響

シューマン ヴァイオリン協奏曲他  スクリデ、ストゥルゴールズ/デンマーク国立放送響_f0229581_23195580.jpgシューマンのヴァイオリン協奏曲はとても良い曲であるにも関わらず、舞台にかかることは余りないような気がします。ワタシもかつては年間70~80回はコンサートに行っておりましたが、2~3回しか聴いたことが無いような気がします。

勝手な私見ですが、シューマンはやはりピアノの人で、弦楽器の扱いに慣れて居なかったのでは無いでしょうか? ピアノ曲では珠玉の名曲が沢山ありますが、弦楽器のための曲はヴァイオリン・ソナタやチェロ協奏曲などが残されてはおりますが、正直、余りピンと来るものがありません。今回紹介するヴァイオリン協奏曲を初めて聴いた時も「なんやらごにょごにょ云うとるけど何を云いたいんかさっぱり判らんなあ。云いたいことがあるんやったらビシッとハッキリ云わんかい」などと思ってしまいました(笑)

と云う曲ですので、最初は判り難い曲かも知れません。ですが、何度か聴いているうちに胸に落ちて来ることもあるかと思います。

この曲は当時の名ヴァイオリニスト、ヨーゼフ・ヨアヒムの依頼で作曲されました。ところが、ヨアヒムはこの曲を演奏することは無く、妻クララの手によって保管されていたそうです。初演はなんと1937年。ゲオルグ・クーレンカンプの手によってなされました。作曲から80余年後のことです。

ラトビア出身のヴァイオリニスト、バイバ・スクリデはこの曲を非常に情感たっぷりに演奏しています。元々この曲そのものが独逸浪漫派の特色を色濃く反映していると云う面もあり、その相乗効果でとてもロマンチックなものになっています。

重厚な弦楽群によって奏でられる嵐のような冒頭から、喜悦の中に一抹の寂寥感が漂う終楽章まで、音楽は紆余曲折を経ながら淡々と進行します。シューマン特有の部厚いけど余り鳴りきらないオーケストレーションが少しもどかしく感じるところもありますが、技巧に富んだ独奏ヴァイオリンが情感たっぷりに奏でられ音楽に彩りを添えているかのように思います。

カップリングは同じくシューマンのヴァイオリンと管弦楽のための幻想曲、チェロ協奏曲(ヴァイオリン版)と盛り沢山なアルバムになっています。

シューマンの仄暗いロマンティシズムを感じたい方にはうってつけの一枚だと思います。


<参考CD>
ロベルト・シューマン
ヴァイオリン協奏曲
ヴァイオリンと管弦楽ための幻想曲
チェロ協奏曲(ヴァイオリン版)

バイバ・スクリデ(Vn)
ヨン・ストゥルゴールズ指揮
デンマーク国立放送交響楽団

録音:2011年8月16-18日、2012年11月16日 コペンハーゲン、DRコンサート・ホール

ORFEO854131
by score1204 | 2014-04-04 00:00 | CD(クラシック)

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