現在の構成
今までオートグラフはプッシュプルで響きを加えるような鳴らし方をしておりました。この鳴らし方が非常に好みだったわけですが、SV-91Bで鳴らしますと、響きはやや少なくなるものの、とても彫の深い明晰な音がして、これはこれでアリだなあ、と好んで聴いています。
プリはもっぱらMcIntoh C11です。
これも昨年秋にオーバーホールに出し、すっかりリフレッシュされて帰って来ました。
全体的に曖昧模糊とした感じで、音のフォーカスが全く合いません。またフォノイコ部も雑音混じりで聴くに耐えない状態。オーバーホールは調布のサウンドボックスさんにお願いしました。
オーバーホールに出すことで音が変わってしまうんじゃないかと危惧も致しましたが、コンデンサーの交換等、必要最小限の作業に留めて下さり、導入当初聴いた輝かしいマッキンサウンドが蘇りました。
やっぱりこの手のレストアは勘所をキチンと押さえているプロにお願いするべきですね。
オーバーホールから帰って来て、毎日のように使い倒していますが、今のところ何ら不具合は起きておりません。
McIntosh C11でSV-91Bをドライブし、オートグラフを鳴らしているのですが、実はこれをやろうとして一度断念しています。
と云うのはMcIntosh C11のゲインは20db。SV-91Bも27dbと云うゲインの高いアンプです。
この両者を直結すると音量調整が非常に厄介です。
またオーバーホールに出したとは云え、C11には結構な残留ノイズがあり、直結で鳴らすとハム音混じりの音になってしまいます。
McIntosh MC240の入力は直後に200kΩの抵抗が直列に入っていることからも判る通り、昔のプリアンプには残留ノイズがそれなりにあったのでしょう。
と云う訳で断念していたのですが、ふと思いついてC11とSV-91Bの間に可変抵抗(ボリューム)を入れてみることにしました。
昨年作ったパッシブプリです。
入力3系統に10kΩのボリュームが付いています。
こいつをプリとパワーに間に入れてみます。
パッシブプリのボリューム位置はほぼ中点です。
音を出す前は高域特性が劣化するんじゃないか? またシステム全体で音味が劣化するんじゃないか?と危惧致しましたが、聴感上は全くおかしなところはありません。しっかりMcIntoh C11とSV-91Bの音が生きています。
中低域の弾力感、抜けるような爽快感を感じる高域。Monitor Gold 15inchをしっかりと制動してくれるグリップ感。どれもこれもC11や91Bの特徴を生かした音です。
またC11の残留ノイズもほとんど聴こえて来ません(正確に云うと極僅かに聴こえてはきますが、これ以上パッシブプリ側のボリュームを絞ったら音が死にます)
意外と使えることが判ったのですっかり気を良くしてMonitor Redが入っているチャトワースにSV-86Bを同じように組み合わせみます。
いやあ、この組み合わせは絶品だわ(笑)
音楽を聴くのが楽しくて仕方ないです。
Monitor Redが入っているチャトワースは密閉箱。箱がとても良く鳴りますので低域不足は全く感じません。とてもバランスの良い音が出ています。
このスピーカーもSV-91BやSV-86Bで鳴らしたりして遊んでいます。
SV-91Bのタイトでソリッドな響きも良いですし、SV-86Bのふくよかな響きも絶品です。
どちらも甲乙付け難い、とはこのことですね。
パッシブプリに入っている可変抵抗はかなりの安物の筈ですので、これは近いうちに東京コスモス製あたりに変えてみようかな、と思っています。