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ベートーヴェン交響曲第3番・他 ムラヴィンスキー/レニングレード・フィル

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はい、また出ました。
ムラヴィンスキー&レニングラード・フィルのライブ録音。
今回は1961年ノルウェーのベルゲンで行われたベルゲン音楽祭でのライブ録音です。
ベートーヴェンの交響曲第3番とショスタコーヴィチの交響曲第5番が収録されております。
いや、それにしても、この二つの大曲を一回の公演で演奏してしまうのですから、恐ろしいオーケストラです。
しかも、それぞれ目を剥くような完成度。
もう凄いとしか云いようがありません。
まさに、オーケストラ芸術ここに極まれり、の感があります。

1枚目のベートーヴェンの交響曲第3番は、冒頭から気合十分。
速いテンポで一気呵成に駆け抜けて行きます。
ワタシはほんと云うと、こういう速いテンポで即物的に演奏されるベートーヴェンは少し苦手です。
フルトヴェングラーや朝比奈のように、たっぷりとしたテンポで紆余曲折を重ねながら音のドラマ紡いで行くような演奏が好きなのですが、ムラヴィンスキーのものはその対極を行くもの。ほんとなら毛嫌いしてしかるべきなんですが、余りに凄すぎて聴かされちゃうんですよねえ。好き嫌いを超越した凄みのようなものを感じて、ソファの上で身動ぎひとつ出来ない始末(^^;;)
更に高貴な風格まで兼ね備え、ベートーヴェンの孤高たる心情を格調高く描きあげて行きます。
参りました。
こんなの聴かされたら、何も云えません(^^;;)

2枚目はショスタコーヴィチの交響曲第5番。
この曲のお手本のような演奏ですが、その高みには中々到達出来ない。
いや、到達するのはほぼ不可能だろう、と思わせられるような完成度の高さです。
どうすれば、こんな演奏が出来るのか?
ppからfffまで有機的な繋がりを見せ、どのパートも全く破綻を来さない。
全ての楽器にムラヴィンスキーの意志が浸透し、全ての音に重要な意味があるかのように一音一音を大切に奏でられています。
ですから、例え録音とは云え、聴いているこちら側も知らず知らずのうちにショスタコーヴィチとムラヴィンスキーの音楽に引き込まれてしまいます。

ベートーヴェンもショスタコーヴィチも全編圧倒的なまでの素晴らしさです。
古いモノラル録音ですが、音質は優秀。
聴いているうちにそんなことは気にならなくなるほどの凄さがあります。
是非多くの人に聴いて頂きたい演奏です。


<参考CD>
レニングラード・フィルハーモニー交響楽団
エフゲニー・ムラヴィンスキー(指揮)

ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調 Op.55『英雄』
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番ニ短調 Op.47『革命』

録音:1961年6月2日 ベルゲン音楽祭におけるライブ録音(モノラル)


ALTUS ALT315
by score1204 | 2015-06-13 23:49 | CD(クラシック)

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