Ortfon SPU-A/E
手持ちのものは日本での代理店がハーマンだった頃のものです。少し前までオルトフォンジャパンのSPU-A/E Classicを使っていましたが、音は全然違います。ハーマン時代のSPUの方が低域がガッチリと締まり、押し出し感も強いような感じがします。対してオルトフォンジャパン時代のSPUは解像度が高く全体的にHi-Fi調ですが、押し出し感が少ないように感じます。まあこれは好みの問題ですからどちらが良い悪いと断じることは避けたいと思います。ただ、ハーマン時代のSPU(約30年前のモノになります)が未だにオークションやヴィンテージショップで高値で取引されているのを見ますと、どちらに人気があるのかは一目瞭然ですね。更に昔のオーディオニクス時代のSPUは残念ながら聴いたことがありません。
当家ではこのSPU-A/EをOrtofon RF-297というAシェル専用のアームで鳴らしています。またターンテーブルはGarrard301です。オーディオファイル的にはジャズ専用システムのような印象を受けると思いますが、当家の場合はこの組み合わせでクラシックを楽しんでいます。ガッチリとした実態感のある音が大好きな私には最強の組み合わせだと思っています(笑)
SPUにはこのAシェルとGシェルがあります。Aシェルは専用アームでしか使えませんが、Gシェルは通常のユニバーサルアームで使えます。やはりシェルの形状が違うことから両者には音の違いがあります。私の手元には同じくハーマン時代のG/EとGT/Eがあり、A/Eと聞き比べをしたことがあります。管球王国などで試聴記事が出ているのでお読みになられた先輩方も多いと思いますが、あの記事通りの結果が当家でも再現されました。A/Eがカチッとした音に対し、G/E or GT/Eは少しゆったりした音です。この音の違いは微細なものです。なんだかんだ言っても同じSPUな訳ですから、全く違う音である筈がありません。強いて言えばこんな違いがある、という程度のものだと思います。
SPUはアームを選びます。軽針圧用のアームではまともに鳴らないと思います。私の場合ですと先述したRF-297かFR-64S、SME-3012Rでないと思うような音が出ませんでした。SME-3010Rでは残念ながら私の腕では上手く鳴らすことが出来ませんでした。
全てのMCカートリッジのオリジンと言うべきSPUですが、未だに新モデルが登場するなど、その進化は止まることがありません。アナログを愛する全ての人に一度は使って頂きたいカートリッジだと思います。