ヨーヨーマ プレイズ モリコーネ
イーストウッドのカッコ良さだけでなく、子供心に残ったのが素晴らしい映画音楽でした。ひょっとすると後年、私がクラシック音楽にのめりこむキッカケとなったのが映画音楽だったのかも知れません。特にマカロニ・ウエスタン等の映画音楽を数多く手掛けていたエンニオ・モリコーネの音楽は大好きでした。
モリコーネの音楽はひたすら美しいです。マスカーニのカヴァレリア・ルスティカーナの間奏曲を例に挙げると判りやすいかも知れませんが、悲しいまでの美しさです。イタリア人はなんでこんなに心の琴線に直に触れるような美しい音楽が書けるのですかね? 特に聴かせ所で分厚い弦楽合奏がうねるあたりは、ちょっと聴いた感じ非常に扇情的にも思えるのですが、洗練されたオーケストレーションが上手く「臭み」をとっているかのように思えます。映画音楽ですので音楽そのものは非常に世俗的で判りやすいものです。それが一流の芸術に昇華しているのはテクニック云々ではなく、歌の国イタリアの血が成せる業なのかも知れませんね。
今回取り上げるCDはモリコーネとヨーヨーマのコラボレーションによるものです。モリコーネが作曲した過去の映画音楽を自身が編曲し、ヨーヨーマのチェロが彩りを添えています。モリコーネの音楽と美音系ヨーヨーマのチェロがとても良く合います。何も考えず、ぼんやりと音楽に身を委ねるには最適の一枚だと思います。そして知らず知らずのうちに涙腺が緩んで来ます。
音楽に言葉は要らない。良いものは良い。そんな風に思わせられる一枚です。
YO-YO MA Plays ENNIO Morricone
Roma Sinfonietta Orchstra
YO-YO MA Cello
SONY CLASSICAL SICC199