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ブルックナー 交響曲第9番 朝比奈隆/大阪フィル

ブルックナー 交響曲第9番 朝比奈隆/大阪フィル_f0229581_23394947.jpg帰宅後、例によってSV-4でたまたまブルックナーの4番を聴いていたのですが、やはりどうにも音が軽くて仕方がない。やっぱりSV-4では私が理想とするブルックナーが聴こえて来ないなあ、なんて思っていると一緒に聴いていた嫁はんがいきなり
「ブルックナーの9番聴かせて」
と云うではありませんか。
「別にええけど、急にどないしたん?」
「前聴いた時に救いのない音楽だなあ、と思ったのがこの曲だったか確認したい」
とのこと。
ブルオタにブルックナー聴きたいなんて、ほとんど禁句ですぜ(笑)今日は週明けと言うこともあり仕事が忙しく流石に疲れていたので講釈を垂れるところまではしませんでしたが、私の中でのブル9ベスト盤、朝比奈/大阪フィルのCDを取り出し、SV-38Tに灯を入れ、万全の態勢で聴いて貰うことにしました。
ほんま奇特な嫁はんだこと(爆)

この曲、ブルックナーが最後に書き残した交響曲です。第四楽章の途中まで書いたところで作曲者が心臓発作で亡くなりましたので未完の曲となっています。しかしながら未完の曲とは云え、音楽の内容は過去の交響曲を遙に凌駕するものとなっており、ブルックナーの交響曲の中でも別格の位置付けが成されるものでしょう。

この曲を聴いた後の嫁はんの感想
「云ってることは判るけど、云ってる内容が良く判らん。哲学的だね」
と云うのはこの曲の本質を端的に言い表したもので、ブルックナーの奥の院とも言うべき交響曲第9番の内容の深さを素人なりに感じ取ってくれているのだと思います。

朝比奈/大阪フィルのコンビはこの曲を丹念に描き出して行きます。この演奏の実演は聴いておりますが、CDには当日の演奏が過不足なく収められています。重心が低く、ガッチリとした構成感のある演奏はまさに朝比奈のブル9です。

余談になりますが、最晩年(2001年)に録音された朝比奈の同曲は何故かやたらと世評が高いですが、私は全く評価していません。オーケストラは荒れてるわ、やたらテンポが遅く、響きに耽溺して構成感が蔑ろにされている演奏はハッキリ言って下の下です。この演奏(実演も聴いています)が何故これだけ評価されるのか私には全く理解が出来ないのです。

そういう意味ではこの1995年に録音された演奏は安心して広くオススメ出来るものです。オーケストラも些細なミスはありますが、非常に健闘しておりますし、当時の大阪フィルの最良の姿を我々に提示してくれます。

ブル9の理想的な演奏のひとつだと思います。今は全集以外には手に入り難いようですが、是非入手してお聴き頂きたい、と思います。


<参考CD>
ブルックナー 交響曲第9番
朝比奈隆指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団

1995年4月23日 大阪シンフォニーホールにおけるライブ録音
by score1204 | 2012-05-15 00:13 | CD(クラシック)

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