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scoreのオーディオ&音楽日誌

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礼賛!DL-103

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アナログをやっていてDL-103を知らない人は居ないと思います。

NHKとDENONの共同開発でコンシューマー向けには1970年頃に発売されました。我が国のステレオMCカートリッジの原器と云っても良い歴史を持ったカートリッジです。

さて、このDL-103、私も2001年にアナログを再開した時に真っ先に手にしたカートリッジです。
標準針圧2.5g、0.6milの丸針、インピーダンス40Ω、出力電圧0.3mvととても使い易いカートリッジだと思います。事実、アナログ再開時の初心者に近い私であっても最初からそこそこ良い音で鳴ってくれました。

ですが。。。良い音なんですけど、少し物が判って来ると飽きるんですよね、この針(笑)
飽きる、と云ってしまってはナンですが、いかにも日本的で優等生的な音に面白みを感じなくなってしまうんですよね。しかし、これが大間違い。なんだかんだといろんなカートリッジを彷徨った後にDL-103に帰って来てしまうんです。

最近、DL-103を使うことが多くなりました。最も安心出来る音なんですね。何をかけても過不足なく音にしてしまうパフォーマンスの高さに今更ながら驚くことが多くなっているのも一因です。
ほんと、クラシックでもポップスでもその音楽の美味しいところをちゃんと音にしてくれる。音楽を聴いていて楽しいんですよね(笑)

DL-103は数年前からFR-54と組み合わせて使っています。
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FR-64の前に存在感が失われてしまっていますが、実に良いアームだと思っています。
どちらかと云うとミドルコンプライアンスカートリッジ向けのアームですね。ですからDL-103にはピッタリ。
これも発売が1970年頃の筈ですから、ひょっとするとDL-103向けに開発されたアームなのかも知れません。
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実にシンプルなアームです。スタティックバランス型で針圧は3.0gまで印可出来ます。写真では見えにくいですが、反対側に極シンプルなインサイドフォースキャンセラーが付いています。アームウエイトを一番後ろまで下げれば、なんとかギリギリSPUは使えます。
このアームが真価を発揮するのは、DL-103やOrtofonのKontorapunkt等、2.5g~2.8gぐらいまでのカートリッジのようです。このアームで鳴らすKontorapunkt-aも中々良い音を聴かせてくれます。

このアームと組合せるようになってから、盤質が余程悪く無い限り、内周歪みも随分と少なくなりました(丸針ですので流石に無くなりはしません) この組み合わせで鳴らすDecca盤は本当に素晴らしいですよ。特にSXL6000番台を聴く際はDeccaのカートリッジよりも良い音がするような気がします。音がスピーカーから飛び出して来るかのような迫力があります。

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シェルはオヤイデ電気のカーボンシェルを使用。これまたカーボンスペーサーを使ってシェルに装着しています。リード線はヤフオクで購入したベルデンのスピーカーケーブルを素材に使ったもの。このシェルリード線にしてからDL-103がアグレッシブな、結構熱い音になりました。

歴史のある日本製のカートリッジ、しかも値段も安い(2万円ちょっと)とあって、なかなかオーディオファイルの心を捉えるものとはなっていませんが、アームとの組み合わせ、シェルやリード線との組み合わせでいろんな表情を見せてくれるパフォーマンスの高いカートリッジです。勿論、トランスによっても音は変わります。

アナログの楽しさの一つに、いろんなカートリッジを漁ってみる、と云うのがあります。この楽しさは否定しません。私も散々楽しんでますし、これからも様々なカートリッジをとっかえひっかえするでしょう。ですが、ひとつのカートリッジをトコトン使い倒し、いろんな表現を引き出してみるのもアナログ正しい楽しみ方だと思います。
そんな時に未知のポテンシャルを秘めたDL-103は決して我々を飽きさせることは無いと思います。

最近、DL-103でアナログを聴いている時、つらつらそんなことを考えています。。。
by score1204 | 2013-06-21 23:39 | オーディオ

音楽とオーディオ、その他の日々雑感を気ままに…


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