ちょっと面白いCDを入手しましたので紹介したいと思います。
古今の名曲をハーモニカとチェンバロ(ピアノ)にアレンジして収録したアルバムです。
で、このハーモニカが実に素晴らしい。
朴訥でモノクロームの色調も感じれば、実に雄弁かつカラフルに感じるものもあり、アルバム全体としてとても彩豊かなものになっています。
このアルバムを買うまで、ハーモニカで奏でる曲を聴いてみようと思ったことは余りありません。正直プロのハーモニカ奏者の演奏を聴くのもこのCDが初めてです。どうもワタシは、ハーモニカと云うと小学生の時の音楽の時間を思い出して、他の楽器より少し下にみていたキライがあり、ヴィルトーゾとしてのハーモニカ奏者をほとんど認識して居なかったと思います。このアルバムにはワタシのそんな浅はかな認識を一蹴する演奏が収められています。多彩なテクニックを用いてハーモニカと云う楽器の奥深さを我々に提示してくれているのです。
このアルバムの録音は1958年。全世界で300枚しかプレスされなかったそうです。録音年が間違っているんじゃないかと思わせられる高音質はかつて長岡鉄男の「外盤A級セレクション」でも取り上げられたことがあるとか。
ともあれ、まずはハーモニカの素晴らしい響きに酔いしれて頂ければと思います。
オーディオチェック用としても価値のある1枚です。
<参考CD>
ジョン・セバスチャン ハーモニカ
【曲目】
1.フランチェスコ・マリア・ヴェラチーニ:ソナタ 第1番 ヘ長調
2.ゲオルク・フィリップ・テレマン:ソナタ 第1番ト短調
3.ヨハン・セバスティアン・バッハ(セバスチャン編):イギリス組曲 第2番 イ短調 BWV807からブレー
4.ダリウス・ミヨー:ハーモニカとオーケストラのための《イギリス組曲》から水夫の歌
5.アラン・ホヴァネス(セバスチャン編):7つのギリシャ民族舞曲作品150から
第1曲:セリブリアのシルトス
第2曲:スィート・バジル - 緑
第3曲:カラグーナ
第4曲:ツァコニア舞曲
第5曲:牧歌
第6曲:スースタ
6.モーリス・ラヴェル(セバスチャン編):亡き王女のためのパヴァーヌ
7.ジョン・セバスチャン:フラメンコ風練習曲
ジョン・セバスチャン(ハーモニカ)
レナート・ジョシ(チェンバロ、ピアノ)(1-6)
録音:1958年5月20-21日 ベルリン、イエス・キリスト教会
PROC-1349
※このCDはタワーレコードの自主企画盤となっており、AMAZON、HMVなどでは入手出来ません。