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scoreのオーディオ&音楽日誌

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またしてもSP盤クリーニングの話(^^;

困った時のクリーニングネタ、と云う訳でもないのですが。。。

2年ほど前にSP盤のクリーニングについて少し書きました。
あの記事はレイカを使って1枚1枚丁寧に吹き上げていくやり方ですが、さすがにコレ、組み物でやると気が狂いそうになります。腱鞘炎にもなりますし。。。
小品なら1面に1曲収録できますが、交響曲や協奏曲のように演奏時間が20~30分になってくると、当然3枚組み6面とか、7枚組14面とかになります。これをレイカで1枚1枚磨いていくのは正直シンドイ。
で、ここで登場するのがVPIのレコードクリーナーです。

使い方はLPの時と全然変わりません。

SP盤をセットして
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こいつをジャバジャバ盤面に吹き付けます。
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ここで1点注意。
SP盤にはアルコール系のクリーニング液は厳禁です。たちまち盤面を痛めてしまいます。
水系クリーナーならそんなことは一切ありませんが、私が使用しているアルカリ電解水も一部では禁忌との話があります。私自身はこのクリーナーで数十枚のSP盤やLP盤を処理していますが、いままで盤面を痛めたことは一度もありません。ただ、そうは云っても禁忌である、とのレポートもあることですし、ご使用はくれぐれも自己責任で。

ちなみに、古いSP盤を漁っておりますと「イボタ蝋」を塗りこんでいる、と思われるものにあたることがあります。これは何かと云いますと、その昔、鉄針の滑りを良くするために、SP盤の表面に蝋を塗り込むことが行われていたんですね。蓄音機のように1面聴くごとに鉄針を交換するのなら問題はないと思いますが、私のように電気再生専門の人間には、スタイラスチップにこびりついて厄介なだけです。よって、これは徹底的に洗い落します。
で、このイボタ蝋を塗り込んでいるとみられるSP盤にアルカリ電解水で吹き付けますと、妙に水を弾きますし、洗浄後には盤面が白濁します。こうなったら、レイカを使って手洗いです。根気が必要ですが、これを疎かにするとカートリッジを痛めることにもなりますので、手は抜けません。

で、話をVPIでのクリーニングに戻します。

これぐらいアルカリ電解水をかけます。
はっきり云って吹き付ける量は適当です。まあ、高いものでもないので(水ですし)ジャバジャバ使います。
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吹き付けたアルカリ電解水を盤面に拡げて行きます。
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ここでちょっとした私なりのコツが。
最初の2~3週は少し強めにブラシを押し付けて盤面表面の汚れを落とします。
その後、押し付けてる力を弱めて、盤面全体に薄い水の膜が出来るように拡げて行きます。
この水の膜をキチンと作るためには少し多めの水が必要です。ですので、普通よりやや多めに電解水を吹き付けるようにしてるってのもあります。

盤面に水の膜が出来たら、コイツを使います。
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ヤフオクで仕入れたLPレコード用のクリーニングブラシです。
ハブラシのデンターシステマのヘッドの部分をぶった切って並べているだけなんですが、音溝の奥まで毛先が入り込んでゴミを掻き出してくれるスグレモノです。

そのブラシをかなり強めに押し付けます。相手は200g超のサウンドボックスの重量をモノともしないSP盤です。力加減なんて必要ありません。親の仇みたいにギュウギュウ押さえ付けます(と云っても少しは加減してますが。。。)
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ブラシを当てて10週ぐらいさせてからバキューム。
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完了!
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ハッキリ申し上げて、このようにクリーニングしたからと云って、SP盤の音が良くなるわけではありません。相変わらず針音はしますし、鉄針で何度もかけられたモノは音溝がどうしても荒れてしまってますし。クリーニングしたからと云ってこれらが修復されるわけでもありません。
では何故、クリーニングするのかと云うと、最大の目的はカートリッジの保護。
78rpmというのはLPの33rpmの倍以上の速度です。それだけの物理エネルギーをもってスタイラスチップにぶつかってくるのですから、音溝に入り込んだゴミやホコリは極力少なくしておきたい。
それに、薄汚れていた盤面が黒々とした輝きを取り戻すのを見るのはスゴク楽しいですしね。
そんな盤面を見ているだけで、良い音で良い演奏が聴こえてくるような幸せな気分になれます。
まあ、要は気持ちの問題ってことですね(笑)

この日クリーニングしたのはメンゲルベルグ指揮ニューヨーク・フィルのベートーヴェン交響曲第3番「エロイカ」です。英HMV盤。1928年頃の録音のものです。7枚組14面。
ですので、上記の作業を14回繰り返すことになります。

SP盤で遊ぶもの意外と疲れるんですよ(爆)
by score1204 | 2015-03-07 21:35 | オーディオ

音楽とオーディオ、その他の日々雑感を気ままに…


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