ドヴォルジャーク 弦楽四重奏曲全曲 プラハ弦楽四重奏団
最近、嵌っているLPです。
勿論、昨夜の記事に書いたThorens TD124のシステムで聴いています。
演奏はプラハ弦楽四重奏団。
1956年にプラハ交響楽団の首席ヴァイオリニスト、ブジェティスラフ・ノヴォトニーを中心に結成されたカルテットです。
ドヴォルジャークの曲はどれも耳に馴染みやすい旋律が沢山出て来ます。
それが故に、好楽家の間ではやや軽く見られる傾向も無きにしも非ずなんですが、音楽的な内容としてはとても斬新かつ先進的。決して同時代の作曲家たちの中で劣っているわけではありません。
ただ、前期ロマン派から後期ロマン派にかけて、文学的かつ哲学的な内容が音楽上の表現として用いられている中で、ドヴォルジャークの音楽はそちら方面の表現にはやや欠ける向きがあり、そう云った点を持って内容が乏しいと思われているのかも知れません。
この全集は、ドヴォルジャークの弦楽四重奏曲の全集であるばかりでなく、「糸杉」やワルツ、断章までも収録した完全版とも云うべきもので、非常に盛りだくさんな内容になっているかと思います。
素朴でありながらも雄弁に訴えかけてくるその語り口は非常に魅力的です。
ドヴォルジャークの新世界(交響曲第9番)は聴いたことはあるけれど、それ以外の曲は。。。と云う方にこそ聴いて頂きたい音楽です。
プラハ弦楽四重奏団の演奏も、滋味豊かに、一音一音を慈しむように音にしているようで、演奏者たちがこの作曲家の音楽を演奏することに喜びを見出していることが伝わってくる内容になっています。
是非沢山の人の聴いて頂きたい、幸福感を感じられる音楽と演奏です。
<参考LP>
ドヴォルジャーク:弦楽四重奏曲全集
プラハ弦楽四重奏団
録音:1973-1977年
DGG2740 177
現在手に入りやすいCDは以下のもののようです。
DG COLLECTORS 4631652